【海洋ごみとゴミ・アート@壱岐市内小学校】
Social and Emotional Learningを用いて「すてられたものをデザイン」することを取り入れながら、当該小学校が取り組む海洋教育の時間にワークショップを行いました。
10月21日(金)壱岐市内のある小学校において3・4年生を対象としたワークショップを行いました。
この活動は、スリランカの小学校での実践が骨子となっており、このたび壱岐での実施にあたっては、聖心女子大学の永田佳之先生をはじめ、大学院生の方々に多大なるご協力をいただきました。心より感謝を申し上げます。
(スリランカでの実践に関する報告:「学び!とESD」2020.4.15の記事。https://www.nichibun-g.co.jp/data/web-magazine/manabito/esd/esd004/)
今年度はこちらの小学校が進める「海洋教育プロジェクト」において、カリキュラムコーディネーターとして関わらせていただいているなかで、本時のみ講師として子どもと関わる機会をいただきました。
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大切にしたかったことは【知識ベースで学習が組み立てられがちな”海洋ゴミ”に関するテーマを、「新しく、楽しい学びのテーマ」として子どもの学習に取り入れる】こと。
このWSでもっとも肝心なのは「子どもとゴミが対話(dialogue)すること」にあります。
子どもとゴミとの対話は、ゴミの名前/年齢/出身/拾われた場所にいた理由/将来の夢などの質問が書かれたインタビューシートをきっかけとして促します。
しかし、実施にあたり例えばこんなこともたくさん考えました。
⚫︎いわゆる”環境問題”をさまざまな形で過剰なまでに意識づけされた現代の日本の子どもたちにとって、この方法は通用するのだろうか?
⚫︎いくら子どもの想像力・創造力が豊かであろうとも、子どもたちはこうしたテーマについて学習することに、疲弊してはいないだろうか?
⚫︎このワークショップの実施者として、私はどのような立ち位置にあるべきだろうか?
⚫︎”アートの授業”になっては元も子もないのだとすると、子どもたちにはどんな問いかけをしたらいいのだろうか?
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わたしたちeducoreは、いつでも以下のことを大切にして子どもとたちと出会います。
子どもの感覚を「ひらく」、「のばす」、「まもる」。
それはひいては、子どもを自律・自立に導くことにもなる。
そのことを実現させるには、「子どもに委ねることを厭わない」。
そして「何を(どんな財を)、どのタイミングで、なんの目的で子どもに出会わせるか」にすべてかかっている。
これは、わたしたちがこれまでたくさんの子どもたちに出会い、そのすべての子どもたちから学んだ結果、得た答えです。
今回のWSは、実施校の先生方をはじめとした素晴らしい方々と、educoreの理念とが作用しあったことにより、子どもが本来もつ「学びとるちから」を耕すことができるものとなったように思います。
子どもたちが、全員一様ではなくいろいろな方向やスピードで学びとりを行うなかで、子ども同士がお互いの「つぶやき」をもとにストーリーを編み上げていく場面を見ることができました。
そのあいだ、おとなといわれる私たち”教師”が子どもになにかを与える必要はまったくなく、子どもたちは的確にdialogueを進めていきました。
その活動を見る限り、今回は「SEL」としての学習が子どもたちの中に取り入れられたといっても問題はない結果となりました。
子どもたちがシェアしてくれた素晴らしい時間に感謝を込めて。